愛知県で太陽光発電や蓄電池を導入!電気代抑制など経済効果が期待
愛知県は全国でも電力需要が高く、特に産業用の電力消費が多い地域です。日照時間が長いため、太陽光発電の設置には非常に適しています。最近では、住宅用の太陽光発電や蓄電池の導入が増加し、電気代の削減や環境負荷の軽減といった経済効果が期待されています。
愛知県の各市町村では補助金制度も充実しており、初期費用を抑えながら設置することが可能です。こちらでは、太陽光発電と蓄電池を導入するメリットと経済効果について詳しく紹介します。
目次
愛知県の電力エネルギーに関する状況
近年、新築やリフォームなどをする際に太陽光発電を設置する家庭が増えています。特に愛知県では、太陽光発電を設置する方も多く、申請数ではトップクラスです。太陽光発電の設置について説明する前に、まずは愛知県の電力事情について解説します。
◇愛知県の電力需要は全国2位
愛知県の電力需要量は、2024年7月時点で50.7億kWhと、東京の次に電力需要量が多い県です。理由として愛知県は、トヨタ自動車をはじめとした自動車産業やセラミック産業などが盛んなためで、その分電力需要量も多く、特に産業用の電力需要量が多くなっています。
引用:経済産業省 資源エネルギー庁3-(2) 都道府県別電力需要実績(xlsx形式:93KB)
◇産業用消費電力量は全国1位
愛知県は、先ほども述べたとおり自動車関連やセラミックなど、さまざまな産業が盛んな地域のため、産業部門における消費電力量は234.5億kWh(2016年度時点)と全国でもトップクラスです。
総電力需要量のトップは、東京都ですが産業部門になると愛知県のほうが圧倒的に多く、県内の消費電力量の大部分を占めています。
引用:都道府県データランキング
◇日照時間が長く太陽光発電の実績も注目
愛知県は日照時間が全国で最も長いとされている地域です。2024年11月14日までの名古屋市の平均日照時間は、773.8時間となっています。太陽光発電協会太陽光発電普及拡大センター(J-PEC)が公表しているデータ(2013年(平成25年)時点)によると、愛知県は住宅用太陽光発電補助金の申請件数が7万4,896件と最も多いです。このデータからみても分かるとおり、愛知県は太陽光発電を設置する方が多く、近年ではますますその傾向が強まっています。
引用:最新ニュース【太陽光発電の比較・ランキング 30の原則】
引用:気象庁
太陽光発電を設置する際に検討しておきたい点
画像出典:フォトAC
太陽光発電の設置にかかる費用は、決して安いものではありません。そのため、将来的なものを見越した上で設置するのが重要です。太陽光発電の設置には、いくつかポイントがあります。
◇太陽光発電量と蓄電池及び売電量のシミュレーション
まず、1ヶ月の太陽光発電での発電量とその使用量、蓄電池の充電量、売電量のシミュレーションが重要です。太陽光発電の電力をどのくらい家庭で使用して、どのくらい蓄電池に貯めるのか、電力会社に売電するのかで得られる経済効果も変わります。
この3つは、生活スタイルによっても変動し、共働き世帯なのか否かでも変わってくるため、生活スタイルに合ったシミュレーションを行うのがポイントです。
◇電気の流れや使い方を想定する
太陽光発電を導入する前には、まず自宅の電気使用量を把握することが大切です。毎月の電気料金明細に記載されている「〇〇kWh」の電気使用量を確認しましょう。特に、夏場(エアコン使用)や冬場(暖房使用)は電気使用量が増えるので、1年分の明細を揃えるとより正確に判断できます。
例えば、太陽光発電の年間発電量が4,400kWhの場合、1か月の平均発電量は約360kWhです。もしご家庭の1か月の電気使用量が425kWhであれば、太陽光発電だけでは65kWhほど不足します。この不足分は、電力会社から購入するか、蓄電池で補うことが考えられます。
このように、発電量と電気使用量のバランスを考え、特に電気をたくさん使う時期に対応できるかを検討することが重要です。
◇一か月および長期の経済効果をシミュレーションする
住宅用の太陽光発電や蓄電池を導入する際は、初期費用や長期的な経済効果を見比べた上で導入するか検討するのがポイントです。
1ヶ月の発電量・使用量などや電気の流れ、使い方のシミュレーションをすべて行い反映させて、長期にわたってどのくらいの経済効果があるのかを計算してくれるサービスを提供する業者もいます。導入後に後悔しないためにも、しっかりとシミュレーション結果に基づいて決めるのが重要です。
愛知県で太陽光発電を設置して得られる効果
愛知県は全国的に見ても日照時間が長く、太陽光発電を設置するには理想的なエリアです。このため、愛知県で太陽光発電を導入すると、電気代の削減や環境への貢献など、多くのメリットが期待できます。
◇購入から10年間とそれ以降で試算する必要がある
太陽光発電を設置した場合、設置後から10年間FIT制度(固定価格買取制度)の利用が可能です。この制度は、適用期間中は固定価格の16円(10kW未満)で買取ってもらえます。
しかし、11年目以降は買取価格が下がるため、FIT制度適用中の10年間と卒FIT後のそれぞれの価格で計算しなければなりません。太陽光発電の寿命である20年程度のため、20年の長期スパンでどのくらい収益があるのか、計算する必要があります。
◇長期的にみるとメリットが大きくなる
太陽光発電の設置には、初期費用として3〜4kWのシステムで約86.4〜115.2万円がかかるのが一般的です。この費用は安くはありませんが、長期的な視点で見ると多くのメリットがあります。
まず、設置後は自家発電によって家庭の電力をまかなうことができるため、毎月の電気代が削減されます。たとえ売電価格が今後変動したとしても、自家発電による電力会社からの購入電力の削減は、確実に光熱費の節約につながります。
さらに、太陽光発電を導入すると、**固定価格買取制度(FIT)**が適用される期間があります。FIT期間中の約10年間は、発電した電力の余剰分を電力会社に売電でき、その収益で初期投資を回収できるケースが多いです。FIT期間が終了しても、電気代の節約効果は続くため、その後は光熱費削減分がまるごと利益になります。
◇愛知県は日照時間が長く太陽光発電設置に向く
愛知県は全国で5番目に日照時間が長い地域とされています。日照時間が長い地域のため、太陽光発電を設置するには最適な地域です。愛知県は、日照時間が長いだけでなく戸建て住宅が多い分、太陽光発電を設置する方も多いため、ほとんどの市町村が補助金制度を設けています。
他県と比べても太陽光発電の補助金制度がしっかりと整備されているため、補助金制度を上手く利用して太陽光発電を設置すれば、FIT期間中の10年程度で元がとれる可能性が高いです。
ただし、日照時間が長い地域だからといって、太陽光発電の発電量が増加するわけではありません。住宅の場所や設置する位置、屋根に設置する際の角度によっては日当たりが悪かったり、周辺の建物などの影になってしまうなどの問題があります。このような問題が起きてしまうと、いくら日照時間が長くても効率的に発電できません。
太陽光発電の採算性をより高めるためには
太陽光発電の効率性と採算性を高めるためのポイントは次の3つがあります。これから自宅に太陽光発電を設置する予定の方は、3つのポイントをしっかり押さえておきましょう。
◇導入にかかる費用に配慮する
採算性を高めたいのであれば、太陽光発電の導入にかかる費用を可能な限り抑えて、初期費用を確実に回収できるようにする方法がおすすめです。発電効率が20%前後のグレードのもので、単価が30〜35万円ほどのものを選ぶとよいでしょう。また、できるだけ施工費用も35万円以内で抑えれられる業者を選ぶのもポイントです。
◇多くの設備を導入すればよいというわけではない
エコキュートや蓄電池などの設備は、太陽光発電と組み合わせると電気代を抑えられるといわれているため、他の設備を同時につけようと考えている方もいるかもしれません。しかし、こういった設備はただ導入すればよいというわけではなく、前もって計画を立てておくのが重要です。
また、太陽光パネルを多く設置しすぎてもかえってリスクを伴います。売電収入を目的に大容量のパネルを設置するよりも、家庭内で消費できる枚数を設置したほうがリスクも低い上、お得です。
◇信頼できる施工会社を見つける
太陽光発電の失敗事例によくあるのが業者選びです。施工業者の中には、相場価格よりも高額な契約金を提示してきたり、粗末な施工を行う業者も存在します。こういった業者は施工後のトラブルも多く、施工ミスによる雨漏りや最悪の場合はケガにつながるケース、音信不通になるケースも少なくありません。
そのような業者に当たらないためにも、相見積もりを依頼するのがおすすめです。相見積もりとは、複数の施工会社に見積もりを依頼する方法のことをいい、複数の業者を比較できるため、適切な施工業者を見つけやすくなります。さらに業者からのレスポンスの早さやサービス内容なども見極められるため、相見積もりは施工業者探しには非常に有効です。
愛知県は日本でも電力需要が多い地域で、自動車産業やセラミック産業が活発なため、産業用電力消費は全国1位となっています。さらに、愛知県は全国的にも日照時間が長く、太陽光発電の設置に理想的な条件が整っており、住宅用太陽光発電の普及も進んでいます。
太陽光発電の設置を検討する際には、発電量、蓄電池、売電量などをシミュレーションし、家庭の電力使用量に合ったシステムを選ぶことが大切です。また、FIT制度の活用や補助金制度もあり、初期費用の回収が見込まれる点もメリットです。
採算性を高めるためには、導入費用の抑制や、適切な施工会社の選定も重要です。愛知県の太陽光発電市場の成長に伴い、今後も環境負荷低減と経済的メリットが期待されます。